私にとっての3.11は、「野球スコアブックのアプリ」リリースに向けての提案の日だった。
その日、私は午前中で企画書を仕上げ、企画内容の最終確認を行っていた。
これから何かが始まる期待感、高揚感と同時に
過去の出来事が脳裏に蘇ってきていた。
私は、元々学生の頃から20代の後半に至るまで、音楽にどっぷり浸かってきた人間だった。
特に作曲をすることが大好きで、当時良く作っていた曲のジャンルは、オアシスやブラー等の90年代ブリティッシュロック風のギターロックバンドサウンド。
一部60年代後期のプログレのテイストも加えた曲なども書き、演奏してきた。
音楽に、ギターに全てを捧げる…と言っても過言ではないほどである。
また実は、九州の大学在学中に起業した事もあった。初めての起業である。
それも音楽に集中できる環境を手に入れる為、お金に不自由しない為のアクションだった。
大学の友人Nの誘いにより、Nと私、他数名でインテリアの輸入事業からスタートする。
音楽をする時間をより多く手に入れる為のお金稼ぎの手段として、バイトするよりもこちらの方が効率良いと思ったからだ。
ちなみに、後にNとは大学卒業後のバンドや現在のビジネス(海外関係)で再び繋がる関係となるのだが、
この時はまだ知る由もない。
一人あたり数十万の出資。詳細な商いの内容は記載出来ないが…最盛期で1,000万円ぐらいの取引になった月もあった。
実行した結果が目の前にダイレクトにお金に反映する事に興奮を覚えた。
売上が上がった時のハイタッチしあった手の感触が今でも鮮明に覚えている…。
完全に学生のサークルのようなノリのような会社であった。
しかし、若気の至りもあり、解散…。
ほんの少し大人の世界をかじった程度だったが、未熟ながらも事業には、ビジョンや使命が無いと欲の赴くまま、ただただお金が回るだけなのだな、そんな事をこの時に思った…。
その後も相変わらずの音楽どっぷり生活だった為、就活をしようという発想は全く夢にも思い浮かばず、
卒業後は、交通警備のバイトを2カ月働いた後、求人を見て、物流関係の会社へ就職も、1年半で退職。
そして、個人的には非常に想い出深い、山籠もり時代へと突入するのである。
〈この続きはまた次回の投稿で〉